「いつも快適な家にするにはどんな間取りがいいんだろう?」
「光熱費がかからない家にするにはどんな設備を入れたらいいのかな?」
この記事ではこんな悩みを解決します。
私は普段エネルギー関連のエンジニアをしているため、熱や空気の流れに関する知識は普通の人よりも持っています。
私がマイホームを建てる際は、その知識をフル活用し、冷暖房効率が良く、光熱費がかからないであろう家にしていきました。
その結果、35坪のオール電化の家ですが、電気代は平均月1万円程度におさまっています。
これは約半分の広さだった賃貸時代よりも4割ほど安くなっており、狙い通りのエネルギー効率の良い家が作れた証拠だと思っています。
逆に言えば、私が家造りにおいて避けてきた間取りや設備を導入すると、エネルギー効率の悪い家になってしまうと考えられます。
というわけでこの記事では、冷暖房効率が悪い家をテーマとして、お話していきたいと思います。
マイホームを検討している方の参考になれば幸いです。
※初めに断っておきますが、あくまでも冷暖房効率の良し悪しというテーマに限って話をしていきます。
あなたがどうしてもこだわってやりたい間取りやデザインであれば、それを否定するつもりは全くありません。
むしろ、この記事で紹介するものは、私自信も、デザイン性を高めるために、一度は検討したものばかりですから。
冷暖房効率が悪い間取り
それでは、本題に入りましょう。
まずは私が冷暖房効率の観点から避けた間取りをご紹介していきます。
リビング階段
まず一つ目はリビング階段です。
ここでは特にリビングと階段の間に仕切りがないパターンのリビング階段のことを言っています。
このリビングと階段の仕切りの重要性を説明します。
基本的に空気は暖かいと軽くなり、冷たいと重くなります。
つまり、一階にリビングがある場合、冬場にいくらリビングを暖めたところで、その空気は軽いので上に上がっていこうとします。
もし、リビングと階段がスカスカにつながっていたら、せっかくあたためた空気が二階に上って行ってしまい、エアコンがたくさん仕事をする必要が出てきます。
一方、二階にリビングがあった場合は、夏場にいくらリビングを冷やしてもその冷気は階段を通じて一階に下りて行ってしまい、なかなかエアコンの効果が出ません。
このように、リビングと階段が直結していると、夏、冬どちらかでかならず冷暖房効率が大幅に悪化してしまいます。
リビング階段はオシャレで人気の間取りですが、冷暖房効率のことを考えるなら、しっかりと空間を分離する扉を一枚設置しておくことをオススメします。
吹き抜け
これもリビングと階段が直結しているのと同じ理由です。
空気は温まると上にあがり、冷たいと下に下がってくるため、冬はだれも居住しない空間から温まっていくことになり、エアコンがたくさん仕事をする必要が出てきます。
リビング階段の場合は階段や廊下という人が使う可能性のある空間が温まっていきますが、吹き抜けの場合は絶対に誰も使わない場所を暖めてしまう分、効率悪化度合いは高いと言えるでしょう。
エアコン位置が考えてられていない間取り
例えば、以下の二つの間取りを比較したとき、どちらがエアコンの効きが良いかは明白ですよね?
エアコンは室外機とセットで考える必要がありますので、必ず家の外周部分に設置する必要があります。
そういったことまで考えたうえで間取り設計をしないと、ある部分は全くエアコンが効かない、一つの部屋に二つエアコンを設置しないといけない、ということになりかねません。
どうしても、間取りに自由度がない場合は、サーキュレーターなどを設置する場所もあらかじめ考えておいた方が良いでしょう。
空気を強制的に回してあげるだけでも、温度のむらがなくなり、部屋の快適度は上がっていきますからね。
広すぎる寝室
部屋が広いと、暖めたり、冷やしたりするのに、その分のエネルギーが必要なのはイメージしやすいと思います。
極論を言えば家は狭ければ狭いほど、効率は良いはずです。
しかし、そんな暴論は誰も求めていないでしょうから、ここでは寝室に限っては広くしない方が良い、という話をします。
基本的にマイホームの寝室というのは、人生の中で最も長い時間を過ごす場所と言ってよいでしょう。
そんな場所のエネルギー効率を上げておくことが重要なのは明らかですよね。
しかし、いくら長く過ごす場所とはいえ、ただ寝るだけの場所です。
広すぎても持て余すだけですし、なによりエアコンで冷やしたり、暖めたりするのに時間がたくさんかかってしまいます。
時間がかかればそれだけ電気代もかかります。
エネルギー効率の観点で言えば、寝室を過剰に広くすることは避けた方が良いでしょう。
というわけでここまでが間取りに関するお話でした。
冷暖房効率が悪化する設備(デザイン)
次は冷暖房効率が悪化する設備についてご紹介していきます。
軒のない屋根
ここは夏場限定のお話です。
最近はデザイン性の面から軒のない家が増えていると思いますが、軒は冷房効率を高めるために重要な役割を果たします。
軒がない場合、夏場の強い日差しが直接窓に当たってしまいます。
そうなると窓が暖められるため、冷房能率が大幅に悪化します。
『じゃー冬場は逆に軒が無い方が暖かいのでは?』
こう考える人もいるかもしれませんが、冬場は太陽の高度が低いため、軒があったとしても窓が影になることはありません。
そのため、冬場に暖房効率が悪化することもありません。
また、話はそれますが、軒は外壁を雨から守るという意味でもあったほうが良いです。
軒は、性能面においては絶対につけておいた方が良いものですので、デザインに特別なこだわりがない限りはつけておくことをオススメします。
引き違い窓
引き違い窓とは下の画像のように、横にスライドする形の窓です。
昔の家や学校なんかはほとんどこのタイプだと思います。
しかし、横にスライドさせるのという構造上、二枚のガラスの間には必ず隙間が生じてしまいます。
そのため、その隙間を通って、その時空気と中の空気が入れ替わってしまいます。
せっかく快適な温度にしたものが出ていき、何も温度調整していない空気が入ってくるわけです。
その入ってきた空気を快適な温度にするために、再びエネルギーが使われてしまいますので、電気代が余計にかかってしまうというわけです。
ではどうすればいいのか?
この問題は滑り出し窓を採用することで解決することができます。
滑り出し窓とは、以下の画像のように窓を外側に押し出すタイプの窓です。
閉めているときは窓は壁にきれいに接触するようになっていますので、隙間が生じることはありません。
そのため、先程紹介した引き違い窓のように空気が入れ替わることもありません。
よって冷暖房効率を高めることが可能になります。
滑り出し窓は、デザイン的にもオシャレなものがたくさんありますので、特にこだわりがないのであれば滑り出し窓を採用することをオススメします。
大きすぎる窓
またしても窓のお話です。
なぜここまで窓の話をするのかを説明しておきましょう。
通常家の周りは断熱材という熱の移動を抑えてくれる素材で覆われています。
とくにこれから立てる家なんかはどんなに安い家でも、それなりの断熱性能は確保されている断熱材が使用されるはずです。
その結果、家の外がどんなに暑くても部屋の内側にその熱が移動してくることはほとんどありません。
しかし、当たり前ですが、窓がある場所にはその断熱材を使うことはできません。
最近の窓は昔と比べるとかなり断熱性能は良くなってはいますが、それでも断熱材が使用されている部分と比べると圧倒的な差があります。
つまり、窓は大きければ大きいほど、夏場は外の熱を吸収したり、冬場は暖めた中の空気を外に放出してしまいます。
よっぽど太陽の光を室内に取り込みたいとかゆうわけでなければ、必要最低限の大きさで問題ないのではないでしょうか。
(台風などで割れたときのことを考えてもリスクが大きすぎますし。)
終わりに
というわけで今回は冷暖房効率の悪い家、というテーマでご紹介しました。
冷暖房効率が悪いとは言え、この記事の内容をすべて取り入れたとしても、月々の電気代増加は数千円だと思います。その光熱費を払ってでも、どうしてもやりたい間取りなのであれば、そればぜひやった方がいいと思います。
お金のことばかり気にしていたら、楽しくないですからね。
この記事を読んでくれた、あなたの家づくりが最高のものになることを願っています。
最後に・・・
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それではまた!!